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【院長】 漢方の講演会にて、講演いたしました。

このたび、製薬メーカーの担当者を対象とした、漢方薬の勉強会にて講演いたしました。
 
今回は、
 
① 産婦人科領域での頻用・定番の漢方薬処方とその代替案について考える
② 産婦人科領域で用いる西洋薬に対する, 漢方薬の補完的役割を考える
 
について、講演いたしました。
 
本講演会では、①として、婦人科三大漢方薬 (当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸)が効かなかったときの次の一手について解説いたしました。
 
当帰芍薬散が効かなかった時は、その使用目標である冷え、痛み、むくみをもとに、それぞれの症状に応じて当帰建中湯、当帰芍薬散加附子、真武湯などの使い分けについて提唱いたしました。
 
加味逍遥散が効かなかった時は、その使用目標である精神不安、イライラ、ほてり・発汗の程度・部位をもとに、女神散や黄連解毒湯、白虎加人参湯、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、加味帰脾湯などの使い分けについて提唱しました。
 
桂枝茯苓丸が効かなかった時は、桂枝茯苓丸加薏加薏苡仁をはじめ、使用目標である瘀血 (打撲傷、便秘、にきびなど)に基づき、治打撲一方、桃核承気湯、荊芥連翹湯、清上防風湯などの使い分けについて提唱しました。
 
②について、主に低用量ピルの副作用対策を提唱いたしました。
低用量ピルは、投与開始から数か月は吐き気や頭痛、不正出血などの症状がみられることがあります。
これらの症状は服用を長期的に継続することで改善することが多いですが、症状が辛くて継続できず、自分にはピルが合わないと思って服用を断念し、生理痛やPMSを我慢している方が多いのではないでしょうか?
また、受験や旅行に際して生理をずらすためにピルを用いることがありますが、これらの症状のために服薬ができない方もおられます。
それらの副作用症状軽減策として、呉茱萸湯や芎帰膠艾湯、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏の有用性について提唱いたしました。
 
当クリニックでは、女性の様々な不調に対し、漢方薬を積極的に用いております。
お困りの方はご相談下さいませ。
 
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