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【院長】当院における母体血清マーカー検査(クアトロテスト)とNIPTの考え方について

母体血清マーカー検査とは、母体の血液を採取し、AFP, uE3, hCG, InhibinA の4種類のホルモン値を計測することで、胎児の21トリソミー (ダウン症候群)、18トリソミー (エドワーズ症候群)、開放性神経管奇形 (二分脊椎や無脳症など)の確率を判定する検査です。別名クアトロテストともいわれております。

胎児に染色体異常がある確率は母体年齢ごとに異なり、母体の年齢が上昇するにつれ、その確率は以下のように高くなります。

 

クアトロテストの結果、計測されたホルモン値が同年代の確率と比べ高い場合に陽性、低い場合に陰性と判定されます。ただし、確定診断ではなく、あくまでも「確率」を示すものです。陽性と判定されても、胎児に染色体異常がない場合があり、陰性であれば胎児が健常であることを保証するものではありません。

 

クアトロテストはある程度進んだ週数 (妊娠15週前後)からでないと検査が実施できません(当院でクアトロテストを実施可能な週数は15週0日~15週6日までとなります)。精度が担保されていないうえ、結果報告までに約3週間前後かかることがあります。また、13トリソミーは検査対象外となります。

 

なお、陽性だった場合には確定的検査 (羊水検査)が必要となります。羊水検査により染色体異常が確定し、妊娠継続を希望しなかった場合には、妊娠22週までに人工妊娠中絶が必要となること、羊水検査に3週間前後かかることから、どんなに遅くても妊娠18週までにはクアトロテストの結果が出ている必要があります。クアトロテストの結果が遅れた場合、その後の羊水検査も遅れ、状況次第では人工妊娠中絶が間に合わなくなる可能性があります。

 

これに対しNIPTは、母体血中に流れる胎児と胎盤由来のDNAを検出・増幅し、13番、18番、21番などの特定の染色体に由来するDNA量が通常より1.5倍多いか否かを調べる検査です。1.5倍多く検出されれば、13番、18番、21番のいずれかのトリソミーの可能性があり、陽性と判定されます。陰性と判定された(1.5倍検出されなかった)場合は、いずれの染色体とも2本であること、トリソミーがないことがほぼ確約されます。つまり、NIPTが陰性であれば、胎児に染色体異常がないという可能性(陰性的中率)がほぼ100%です。陽性と判定された場合は、トリソミー細胞が胎盤のみに存在し、胎児にはない場合があり、必ずしも胎児が染色体異常であるとは限らないため(偽陽性と呼びます)、羊水検査が必要になります。

 

また、NIPTは検査実施可能週数が10週以降からと早く、1~2週間程度で返却されます。

 

クアトロテストの場合は、施設によりますが費用は2~3万円と比較的安価ではあるものの、上記のようなデメリットが多く、陽性時の羊水検査は別途追加費用がかかります。これに対し、NIPTの場合は、出生前検査認証制度等運営委員会の取り決めとして、陽性時の羊水検査に関しては当方で費用負担いたします。(当方の提携する国立病院機構東京医療センターにて17万円で羊水検査を実施いたしますが、15万円を上限にキャッシュバックいたします。)

 

これらの観点から、当院といたしましては、クアトロテストよりもNIPTを推奨いたします。

 

当院での出生前診断(NIPTおよびクアトロテスト)に関する詳細は、こちらもご参照ください。

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